Skip to content

日本史研究会8月例会

日本史研究会8月例会 published on

「京都近郊の村落社会と古文書の伝来―山国地域の事例から―」
日時:2024/8/4(日)13:00~17:30
場所:京都大学吉田南構内 総合人間学部棟地階 1B05講義室
報告:
村上 絢一氏(和泉市教育委員会)
「王権の裏山論からみた中世の山国庄」(仮)
𠮷岡 拓氏(明治学院大)
「近世京都近郊地域の社会集団と由緒―文書の伝来・保存の観点から―」(仮)
コメント:
宇野 日出生氏(元京都市歴史資料館)
牧原 成征氏(東京大)

大堰川上流に位置する丹波国桑田郡の山国地域(現京都市右京区)は、古代には杣として地名が現れ、中世には修理職領・禁裏領として荘園化した地域である。同地では中世の名体制に起源を持つとされる、名主家と呼ばれた有力百姓が特権的地位を維持し続け、中世から近代までの文書が旧家の家文書として伝来するフィールドである。このような特質から、中世から近代までを通時的に展望できる類のないフィールドとして、悉皆的な史料調査が行われ、時代を通じた地域史の構築が試みられてきた。現状の研究は、山国地域に関する膨大な歴史的事実をあきらかにする一方で、それらを同時代の中でどのように位置づけるのかについては、充分に議論されていないといえる。当該地域の有力百姓集団の存在形態や文書の伝来状況を、同地固有の問題のみとして扱わず、京都近郊地域の特質として捉え直し、より視野を広げて議論を深めていく必要がある。 本例会では、長年の史料調査に基づき進展を見せてきた山国地域の研究成果を他の京都近郊地域との比較も踏まえ報告いただき、他地域研究の視点からコメントを加える。個別地域研究の枠を越えて議論する場としたい。

*本例会は完全対面形式で実施いたします。オンラインによる配信の予定はございませんのでご了承ください。参加無料。 問い合わせ先:nihonshiken.kinsei@gmail.com